「夫」と英語のハズバンドはちょっと意味が違う?帰国子女の恋愛論

みなさんは、結婚後に夫をなんて呼びたいですか? 日本語では「主人」「夫」「旦那」などの呼びかたがありますよね。英語では「ハズバンド」と訳されますが、実はこの2つ、イコールではないのです! 今回は、帰国子女の筆者と、日本語と英語の「夫」事情について見ていきましょう。

1:英語の“husband”(ハズバンド)って「夫」(おっと)とはちょっと意味が違う?

「夫」も「ハズバンド」も、結婚した相手を指す言葉には変わりないけれど……。

それぞれ、どんな意味があるのか、このチャンスに知っておきましょう。

まずは、改めて日本語の「夫」の意味を、おさらい。

「夫」とは……

<1: 成人した男。

2:仕事にたずさわる男。

3:男の配偶者。おっと。(出典:デジタル大辞泉:小学館)>

一般的には「私が結婚した相手」という意味で使われることが多い言葉ですが、それ以外にもいくつかの意味があるのです。

では、英語の“husband”の意味は……?

<1:夫

2:((英)) (特に他人の財産の)管理人

3:((古)) 家政を上手に処理していく(ことのできる)人,家財家政の管理人

4:((米売春俗)) ひも,ぽん引き.

5:((米同性愛俗)) 男役.

6:((米学生俗)) 本命のボーイフレンド.(出典:ランダムハウス英和大辞典)>

たった1語だけれど、前後の文章や話題のニュアンスによって、やや意味が異なることもあるのです!

ちなみに、発音の音節は「hus • band」で、発音は「ハズバ(ベにも近い)ンド」という感じですね。

ちょっと陰口っぽい会話で使われることもある単語なのは、日本語の「夫」とも同じような意味合いと考えていいのではないでしょうか。

お国が変わっても、言葉の使いかたには似ている面もありますね!

 

(1)「妻」は“wife”(ワイフ)だけど……どんなニュアンス?

ところで、英語では妻を「wife(ワイフ)」と言いますが、「夫」というワード同様に「僕が結婚した女性」という趣旨以外の意味があると思いますか?

wifeの意味は……

<1:妻,女房,細君,家内,夫人,奥さん

2:((成句以外では古・方言)) 女

3:((売春俗)) ひも付きの売春婦,(特に)売春宿の主人のお気に入りの売春婦.

4:((同性愛俗)) (男同士,女同士両方の場合の)同性愛者の女役.

5:((俗)) フィアンセ(の女性),特別なガールフレンド.(出典:ランダムハウス英和大辞典)>

こんな風に、「ワイフ」という言葉も一般的な「妻」という意味の他にスラング的な意味を持つことがあります。

このあたりも、日本語の「妻」を何かの隠語や揶揄する表現で使うことがあるのと近いものがあるかもしれません。

 

(2)「僕のワイフが」と言う人いるけど、「私のハズバンドが」と言ってもいいかしら?

海外生活が長かった男性や、まさに今、日本以外の国に居住している男性だと、「僕のワイフが~」「●●さんのワイフは~」などと、「奥さん」や「妻」と言わずに「ワイフ」を使う人もいますよね。

これに真似て「私のハズバンドが~」という言い方をしてもいいものなのか、疑問に思っている女性もいらっしゃるかもしれません。

筆者の感覚で結論から言うと、日本に居住し続けている日本人であっても「私のハズバンドが~」と言いたい女性は、大いに使っていいフレーズだと思います。

ただし、単に「ハズバンド」って言うとちょっと長ったらしいので、「私のハズが~」と省略したほうが言いやすいし、ちょっとこなれて聞こえるかも!

 

2:帰国子女に聞く!「夫とhusbandはこんなに違うと思う」

では、日本語の「夫」と英語の「ハズバンド」って、どんな感じでニュアンスが違うものなのでしょうか。

筆者が外国(オーストラリア)に暮らしていたのはわずか6歳までなのですが、一応帰国子女かつ若いころには外国人男性たちとの交際経験もあるということで(?)、周囲の帰国子女仲間たちからのリサーチ結果も踏まえながら、「夫」と「ハズバンド」の違いをいくつか見ていきます。

(1)「何かしてあげなきゃ」が夫、「何かしてくれる」がhusband

妻が困ったときに、夫は「何とかしてあげるよ」的な存在であるのに対し、ハスバンドは「きっと何かしてくれるはず」的な頼もしいイメージも強い存在です。

変な言い方ですが、日本でウェディングドレスを着てもキリスト教徒でない限りセレモニー的なニュアンスが強いですよね。だから、何かあるとスグ「離婚」を持ち出したりする。その軽すぎる感覚に驚かされることもあります。

他方、諸外国では「離婚は罪」という考え方が強いため、配偶者に何かあったときには「ハズバンド」が「何とかする」のが当たり前なのです。

(2)「夫」は男が威張っている感じもするけど「husband」は対等

「夫」という言葉には、日本古来の男尊女卑的思想や“男は女を食わせてなんぼ”的な雰囲気が潜んでいるイメージも拭えません。一方、「ハズバンド」という言葉には対等なイメージが強い印象があります。

あくまでも言葉のイメージなので、一概に「すべてのカップルが必ずそう」とは言えないのですが、日本では古来に「女は黙って3歩後ろをついてこい」的な価値観もあったので、「夫」という言葉には、どこか威張っているニュアンスがありますよね。

(3)夫の「財布は握れる」が、husbandは「経済的独立」をしている

日本では「家庭の財布を握る」とか「ウチの大蔵省(現・財務省)はカミさん」なんて言う人も珍しくないほど「夫の財布を握っている」妻も多いですよね。

一方、「基本的に夫婦は対等」という考え方が主流のアメリカなどでは、「自分で稼いだお金は自分で自由に使う」という家庭も少なくありません。

ですので、「夫の財布を握る」的な考えかたは一般的ではありません。

だから、「ハズバンド」は「夫」よりも「経済的に自立している」というイメージもあります。

(4)「夫」は当事者が使うけど「ハズバンド」は当事者はあんまり言わない

「夫」という言葉は、「うちの夫が」「私の夫は」など、日本の妻が自分の婚姻相手を指す言葉としてよく使われています。

他方、「ハズバンド」も妻が自分の配偶者を示すときに使われる単語なものの、くつろいだ会話の場では「私のハズバンド(My husband)」という表現をしている人をあまり見たことがありません。

英語圏では、パートナーをファーストネームで呼ぶ人も多いですし、日本人が日本語で「私のハズバンドが~」と使おうとする意味で「ハズバンド」を使う人は少ないかな、という印象もあります。

(5)夫は“partner”じゃない感じがするけど、husbandは“partner”という意味も強い

「partner(パートナー)」という言葉も、英語圏ではしょっちゅう耳にする単語のひとつ。

単に恋人を指すこともあれば、結婚している相手、一緒に暮らしている相手を指すこともあって、自分の伴侶的な存在の人物を示します。

同性カップルが“partner”と紹介すれば「私の人生の伴侶です」というニュアンスも含まれますしね。

ところが日本の「夫」は「パートナー」と言うよりも、ただの「婚姻関係にある相手」的な冷たい感じがする言葉でもあるのではないでしょうか。

 

こんな風に、同じような意味の「夫」と「ハズバンド」でも、言葉そのものが有するニュアンスやイメージって意外と異なる部分もあります。

 

3:夫の英語スラング“hubby”(ハビー)の意味は?5つ

ところで、英語には「hubby(ハビー)」という言葉もあります。

“hubby”とは、自分の夫への愛称として使われている言葉で、親しい相手に夫のことを話すときに“hubby”と表現する女性も少なくありません。

(1)ただの恋人にも使う?

「ハビー」って語感がカワイイですし、「結婚してなくても彼氏をhubbyって呼びたい!」と思う女性もいますよね。

夫にしたいくらい愛している相手なら、“hubby”って呼んでも問題なさそうな気もするものです。

しかし、筆者の周りでは、ただの恋人を“hubby”を表現していた友人はひとりもいないのが率直な感覚です。

日本人として“ネタっぽく”使うなら、カワイイかもしれません!

(2)ラブラブな感じが出ている?

自分の夫を“hubby”と愛称で呼ぶのは、ラブラブ感も出しやすい表現とも言えるかも。

ちょっとお茶目な言い方ですし、ドロドロした愛欲よりカジュアルなラブラブというニュアンスが強いので、爽やかにラブラブな日本人夫婦も、どんどん使っていい言い方ではないでしょうか。

(3)婚約者には使っていいの?

まだ籍は入れていないけれど、結婚するのが決まっている相手を“hubby”と呼ぶのはネタとしてアリでしょう。

ちょっとフライングしている感はあるものの、インスタのハッシュタグで使ったり親しい友人との会話で言ったりする分には問題ないと思ってくれる人のほうが多いのではないでしょうか。

(4)“hubby”って言うとどんなイメージになりますか?

“husband”と言わずに敢えて“hubby”を使うと、どんなイメージが強くなるのか? それは、“husband”よりキュートな雰囲気になるので、フランクな言い方のイメージが強くなります。

なので、かしこまった場で“hubby”は使わないほうが無難です。

(5)“hubby”の発音は「ハビー」ですか?

「hubby」の発音は日本語で書くと「ハビー」となりますが「ハビィ」のような言い方を意識したほうが、よりネイティブに近づきます。

「ハ」を「ホ」に近い音で発音し、「ビ~~」と伸ばしすぎないほうがキレイに発音できるでしょう。

ただし、「ホビー」に近くなってしまうと「hobby(=趣味)」と間違えられることがあるので、気をつけて!

 

みなさんは、結婚後に愛する彼を“husband”って呼びますか?

「夫」と言っても「ハズバンド」と言ってもかけがえのない伴侶を指すことには変わりはありません。でも、その言葉の細かいニュアンスにはちょっとした違いもあるからおもしろいですよね。

 

【参考】