国際結婚の離婚率は?国際結婚が難しい理由と離婚したい場合の手続き

最近では、国際結婚も珍しいことではなくなりました。「憧れちゃう!」という人もいるのでは? しかし、調べてみると離婚率が高かったりする事実もあります。お子さんがいる場合、きちんと法律を理解していないと、「子供と二度と会えない」なんてことにもなりかねません。そこで今回は、国際結婚が難しい理由から離婚したい場合の手続きなど、香港在住歴7年の筆者が、ご紹介します。

1:国際結婚の離婚率は…!?

(1)日本人が国際結婚する割合と離婚率は……

厚生労働省の「平成28年度 人口動態統計特殊報告」の「婚姻に関する統計」の概況によれば、2015年度に結婚したカップルは635,156組で、そのうち国際結婚は20,976組であったことがわかりました。

割合にすると約3.3%。国際結婚が珍しくなくなったとはいうものの、やはり日本ではまだまだ日本人同士の結婚がメジャーであるといえます。

一方、国際結婚の離婚についてはどうでしょうか?

2015年度に離婚したカップルの数は226,215組、そのうち、国際結婚をしていた夫婦は13,675組ということがわかりました。

割合にして約6%。同年度の結婚した国際カップルの割合と比較すると倍近くの割合で、国際カップルが離婚しているという結果になりました。ちなみに、2015年から直近5年間の割合の変異は、結婚・離婚どちらも1%程度。

つまり、国際結婚は離婚するカップルの割合が高いということが伺えます。

(2)日本人同士の離婚より手続きが複雑?

日本人同士なら離婚届の提出も一度で済みますが、外国人と離婚した場合は相手の国にも届けを提出する必要がある場合がほとんどです。

また適用される法律は、夫婦が居住している場所によって異なりますので注意が必要です。

ただ、国によっては、「離婚という概念そのものがない」なんていう場合もあります。たとえば、フィリピンの場合、離婚届を提出する必要はありません。しかし、その後、再婚する際に様々な手続きが必要になるのです。

 

2:「国際結婚から離婚」ブログから読み取る国際結婚のハードル5つ

筆者が国際結婚から離婚に至った方々に取材したケースとともに、紹介していきます。

(1)相手の親族とうまくいかない

「彼は日本人に対してまったく偏見がない人だったけど、彼の親戚の中には、偏見をもっている人もいた」(大学講師Sさん/40代)

国際結婚から離婚に至ったというブログを見てみると、「義母との不仲を夫が上手に仲裁してくれない」といったケースが散見されました。

愛し合っているふたりなら乗り越えられる様々な障壁も、家族をひっくるめて考えなければならない結婚となると、話は別。

とくに、家族のつながりが強いお国柄の相手と結婚した場合は、その傾向が強くなるようです。

(2)文化や価値観が根本的に違う

「妻を養うという感覚がなかったり、ひとりでも勝手に旅行に行ってしまったりと、価値観が根本的に違う。海外で出会い、舞い上がって結婚したけど、一緒に生活をし始めるとしんどいことが多くなった」(ホテル勤務Aさん/30代)

お付き合いをし始めた当初なら新鮮に感じられた文化や価値観の違いも、結婚して人生を共にするとなった瞬間、大変厄介なものへと変わることがあります。

国際結婚から離婚に至ったブログの中にも、相手に「自分は自分、君は君」という態度を貫かれたというケースが少なくありません。

特にお金や時間の使い方については、結婚前に十分な話し合いを持っておいたほうが良いでしょう。でもまぁそれは、日本人同士の結婚でも必要ですよね。

(3)離婚に対する免疫が強すぎる

「フランス人の彼。両親も祖父母も離婚しており、周囲も離婚した人だらけ。彼も『離婚は致し方ないもの』と捉えていて恐怖だった」(文化施設勤務Kさん/30代)

フランスの場合、離婚するには必ず裁判所を介在させなければいけません。そのため、手続きに時間がかかります。なので、離婚を回避する努力をする人が多い……というのではなく、そもそも婚姻関係を結ばない事実婚を選ぶようです。

そして、結婚しても、「愛がなくなってしまったら、そりゃ離婚するでしょう?」という感覚が、日本人より強いように感じます。

世界的に見れは、日本は、結婚そして離婚に対して保守的な考え方をしているといえるでしょう。

(4)子供との距離感が違う

「香港人の彼は、1歳の子供をヘルパーに預けて夫婦で旅行しようという。私はその感覚がまったくもって理解できなかった」(セラピストKさん/40代)

香港の多くの家庭では、フィリピンやマレーシアからの出稼ぎに来た人が、ホームヘルパーとして住み込みで働いています。そのため、小さな子供がいても、ヘルパーさんと留守番させ、夫婦水入らずで旅行するというケースが一般的。

でも日本人的な感覚からすると、「生まれたばかりの我が子をおいて旅行するなど考えられない」というのもありますよね。

(5)仕事を探すのが難しい

「結婚して海外に移住し、今彼から働いて欲しいと言われているんですが、日常生活のコミュニケーションだってままならないのに、お客様とのビジネス会話なんて絶対無理。そもそも、日本人ができる職そのものが限られてるから、キャリアを活かせる仕事に就くのは本当に難しいんです。自立すら困難な状況が辛くて、もう日本に帰りたいです」(元美容師Yさん/30代)

彼女はまだ結婚中ですが、離婚も視野に入れている状態。国際結婚して日本から離れる場合、現地での日本人のコミュニティはおのずと限られてきます。

外に仕事がもてれば、本人にとっても精神的に落ち着くことができ、ふたりの関係も安定する可能性があります。

しかし、実際はそう簡単にもいかず、苦労する場合が多いのが現状です。

 

3:国際結婚したけど離婚したい……一般的な手続き3ステップ

国際結婚の離婚を扱う弁護士からのアドバイスをもとに、国際離婚の一般的な手続きのポイントをご紹介します!

(1)どの国の法律が適用されるかを調べる

結婚した夫婦がどこに居住しているかによって適用される法律が異なります。

たとえば夫婦がどちらの国籍でもない第三国に居住している場合、自分の国籍がある国ではなく、居住している(日本で言うところの住民税を払っている)国の法律が適用されます。

筆者の場合、筆者も夫も日本人ですが、居住地が香港ですので離婚することになれば香港の法律が適用されることになります。

(2)相手国で離婚が成立した場合は日本大使館に離婚の申請を

結婚相手の国において離婚が成立した場合には、日本の大使館や帰国後日本の役所に離婚の届け出を行うことをお忘れなく。

また、日本で外国人と離婚した場合にも、相手の国にある日本大使館に届ける必要があります。但し、相手国によって事情が異なるため、まずは相手国の在日大使館などに問い合わせてみてください。

上でも書きましたが、正式な離婚手続きを踏まないと、その後再婚をする際にも厄介なことになる可能性があるので、くれぐれもご注意を!

(3)子供がいる場合はハーグ条約に注意!

海外に居住している夫婦で子供がいる場合は、ハーグ条約に注意しましょう。

 ハーグ条約は,国境を越えた子どもの不法な連れ去り(例:一方の親の同意なく子どもを元の居住国から出国させること)や留置(例:一方の親の同意を得て一時帰国後、約束の期限を過ぎても子どもを元の居住国に戻さないこと)をめぐる紛争に対応するための国際的な枠組みとして、子どもを元の居住国に返還するための手続や国境を越えた親子の面会交流の実現のための締約国間の協力等について定めた条約です。日本人と外国人の間の国際結婚・離婚に伴う子どもの連れ去り等に限らず、日本人同士の場合も対象となります。

出典:外務省 ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)

つまり、筆者が仮に夫と離婚する場合、家族全員が香港で暮らしていましたので、筆者が夫の許可無く勝手に子供を連れて日本に帰ることは許されません。

この問題に抵触すると、以下のような恐ろしい事態にもなりかねません。

実際に、居住していた国への再入国に際し、子を誘拐した犯罪被疑者として逮捕されたり、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて国際手配されたりする事案も生じています。

出典:外務省 ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)

 

4:離婚は新しい人生への第一歩

離婚にはネガティブなイメージがつきまとうものですが、新しい人生への第一歩であることには間違いありません。

国際結婚の離婚には、日本のそれとは異なる手続きも多くあります。不要なトラブルを防ぐためにも、正しい情報を集め、弁護士など専門家に相談しながら、きちんと行ってくださいね。

 

 

【参考】