デートDVされてない?すぐ診断できる「デートDVチェックリスト」

“デートDV”という言葉をご存知でしょうか? DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、もともと夫婦間の暴力を指す言葉でしたが、結婚していないカップルであっても、DVが成立することがあるのです。あなたももしかしてDV被害者、加害者になっているかも!? 今回は、認定NPO法人『エンパワメントかながわ』の監修で、デートDVの実態をご紹介します。

1:デートDVに気をつけて!

(1)デートDVってどんな意味?

“デートDV”とは、恋人同士の間で起こる暴力のこと。暴力といえば、殴る・蹴るといった行為を思い浮かべる人が多いかと思いますが、後述のように、暴力の形は身体的なものに限りません。

内閣府では平成11年度から3年ごとに『男女間における暴力に関する調査』を実施しています。最新の平成29年度調査によれば、交際経験のある男女のうち、パートナーから被害を受けたことのある人は全体で16.7%、女性21.4%、男性11.5%とのこと。20代女性に限ってみると、なんと36%にも及びます。

デートDVは、決して珍しいことでも、他人事でもないのです。

(2)デートDVされているかも?

デートDVにおける暴力とは、“身体的暴力”、“行動の制限”、“精神的暴力”、“性的暴力”、“経済的暴力”の5つのタイプに分けることができます。

また、パートナーからひどいことをされていても、「彼がこんなことをするのは私を愛しているから」「私に落ち度があるから」などと思い込んでいたり、思い込まされていたりして、自分が被害者であるとの自覚に乏しい人も少なくないようです。

そこで、次章では、デートDVの5つのタイプについて、それぞれどのような行為や言動がこれにあたるのかチェックリスト形式でご紹介します。

 

2:すぐチェック!デートDVチェックリスト

(1)身体的暴力

・殴る、蹴る

・壁際に押し付けて脅す

・腕などを強い力で握る

・髪を引っ張る

・首を絞める

・噛んだり、つねったりする

・物を壊す

・物を投げつける

・殴るそぶりをして脅す

・壁を殴る、蹴る

・大きな音を立ててドアを乱暴に閉める

被害者の身体に直接、暴力が及んでいなくても、力を誇示して脅す行為はデートDVに当たるかもしれません。また、「俺をここまで怒らせるおまえが悪い」と暴力の責任転嫁をしたり、痛がる被害者に「大げさなまねをするな!」と罵声を浴びせたりすることも。

(2)行動の制限

・「自分以外の異性と口をきくな」と約束させる

・自分のいないところで同性の友人と遊ぶだけでも不機嫌になる

・「あんな奴と関わるな」と友人や家族の悪口を言う

・LINEの既読がつかないと激怒する

・メールなどの返信が遅いと大量のメッセージを送りつける

・勝手にスマホのなかのデータを消す

・異性の連絡先を消去させる

・GPS機能のあるアプリで行動を監視する

・誰とどこで会って何をしていたのかなど行動を逐一報告させる

・自分の予定に合わせるために大事な約束を破らせる

・趣味や特技をけなしてやめさせる

・行動や服装などを細かくチェックしたり、指示したりする

デートDV加害者は、被害者を自分以外の人間関係から孤立させ、自分の思い通りにコントロールしていく傾向があります。

(3)精神的暴力

・他人の前でも「デブ」、「バカ」などと言う

・大声で怒鳴る

・理由も言わずに無視し続ける

・「機嫌が悪いのはおまえのせいだ」と言う

・気に入らないことがあると反省文を書かせる

・自分の失敗や都合の悪いことを相手のせいにする

・「クズ」「死ね」など傷つける発言をする

・「女のくせに」「男のくせに」など性差別的な発言をする

・「別れたら“死ぬ”と言う」

付き合うにつれて、一緒にいて悲しい気持ち、怖い気持ちになったり、「どうせ自分なんか」と自己評価がどんどん下がっていたりする場合は、デートDVの被害にあっているサインかもしれません。

(4)性的暴力

・無理やりキスやセックスをする

・好まないプレイ(オーラルセックスやSMなど)を強要する

・見たくないのにアダルト動画や画像を見せる

・避妊に協力しない

・裸や下着姿での写真や動画を無理やり撮影しようとする

・これまでに撮影した性的な写真、動画をばらまくと脅す

・無理やり中絶させる

・無理やりキスマーク(皮膚を強く吸ってつけるアザ)をつける

“無理やり”というキーワードが頻発している点からもわかるように、「カップルのどちらかが望まない全ての性的行為」は性的暴力であるととらえることができます。

(5)経済的暴力

・デート代をいつも出させる

・アルバイトをさせてお金を巻き上げる

・必ず返すと言って借りたお金を返さない

・買えるはずのない高いプレゼントを無理やり買わせる

・別れるならこれまで払ったデート代をすべて返せと脅す

この項目でも、性的暴力と同様、心から望んでの行動か、自分はどう感じているかが大切なポイントとなります。嫌なことをされても、嫌だと言えない。もしくは、嫌だと言っても聞き入れてもらえないなど、ふたりが対等に付き合えない場合は、デートDVが起きているかもしれません。

 

3:こんなケースも!デートDVの事例

上記のチェックリストのなかで、いくつか思い当たる点があり、「もしかして私もデートDVの被害者(加害者)かも……」とドキッとした人もいることでしょう。でも、その次の瞬間には「そんなはずはない!」「これくらい誰でもあるはず」などと自分に言い聞かせたくなったのでは?

デートDVでは、身体的暴力はまだ比較的わかりやすいものの、それ以外の暴力では加害者・被害者ともにそれがデートDVに当たるとはっきりとは自覚しにくいともいえます。そして、そのままDVがどんどんエスカレートしていくことも……。

お互いを大切にできない関係から脱却するためには、まずは自分たちがデートDVの当事者のおそれがあることに気づくことが大切です。

そこで、この章ではより具体的にデータDVの事例をご紹介します。

(1)「彼女の金銭的要求に応えきれません」(21歳/大学生)

「同じ大学の1年後輩の彼女がいます。僕のほうが年上だし、デート代は当然すべて僕もちです。安いお店とかに連れて行くと彼女は不機嫌になるので、お金はけっこうかかります。そのため、今は僕、バイトを3つかけもちしている状態です。

実は来月、彼女の誕生日でプレゼントについて困っています。彼女は高級ブランドバッグが欲しいと言っているのですが、正直、今デート代だけでも経済的にぎりぎりの状態で……。

バイトを増やそうかとも思うのですが、これ以上、仕事の負担が増えると、大学の単位を落としかねない感じです。万が一、留年なんてことになれば奨学金も打ち切られるし、大学に通うこと自体が難しくなるかも。

それで、“バッグじゃなくて財布だったら何とかなるかも~”と冗談まじりに伝えてみたんですが、“はぁ、何それ!?”と真顔で返されてしまい……。やっぱり彼女のこと好きなら、願いは叶えてあげなきゃいけないですよね。

彼女の友達はお金持ちのボンボンや社会人と付き合っている子が多いみたいで、“A子は彼氏からこんなプレゼントをもらった”とか“B美の彼氏はこんな車に乗っている”など、比較されるのも辛いです。

彼女は僕にとって初めての人で、ずっと大切にしたい、別れたくないという思いはあります。でも、最近では寝ても覚めてもお金の心配ばかりで、これからどうしたらいいのかわかりません」

(2)「彼と一緒にいると自分がダメ人間のような気がする」(25歳/公務員)

「職場の先輩に仕事の相談に乗ってもらっているうちに恋愛関係になりました。彼は仕事もできるし頭もいいし、すごく尊敬しています。

ただ、付き合っていて窮屈に感じることはあります。彼は仕事上だけでなくプライベートでもいろいろ私に教えてくれるのですが、“おまえみたいな無知な女は”とか“そんなことも知らないで恥ずかしくないの!?”とか、結構グサッとくる発言が多いんです。

あと、“あんなレベルの低い奴と付き合うからおまえまでバカになるんだ”と友達のことを否定されるのも傷つきましたね。その友達と会うと不機嫌になるので、自然とその子とは疎遠になっちゃいましたが。

あっ、でも厳しいだけじゃなくて、優しいところもあるんですよ! たとえば、髪型を彼好みのショートボブに変えたら、すっごく喜んでくれたり。

彼はよく“俺はおまえのためを思って指摘してやってるんだ”とか“おまえがだらしない人間だから、俺が育ててやっている”などと言います。そう言われると、確かに彼には感謝しなきゃ……とも思うのですが。

でも、彼と一緒にいると常に緊張しっぱなしだし、もっと言うなら彼がその場にいなくても“彼からどう思われるのか”ばかり気になります。こんな関係をしんどいと思うのは、彼の言うとおり私がだらしがない人間だからなのでしょうか」

 

4:デートDVの相談はどこにすればいい?

前掲「2:すぐチェック!デートDVチェックリスト」や「3:こんなケースも!デートDVの事例」を通じて、デートDVのイメージがかなりつかめてきたのではないでしょうか?

「自分自身が当事者かもしれない」もしくは「友人や家族が被害にあっているかもしれない」という場合、悩みを抱え込まずに専門機関に相談することをおすすめします。

身体的な暴力や金銭的なトラブルがある場合は、警察や弁護士に相談するのも一考です。とはいえ、いきなりこうした機関に相談するのは気が引ける人がほとんどでしょう。

また、デートDVのなかでも、“行動の制限”、“精神的暴力”では、「そもそもこれってDVに当たるの?」「こんなこと相談しても相手にされないだろう」と二の足を踏んでしまいますよね。

デートDVに関して、少しでも不安のある人は、まずは全国の「配偶者暴力相談支援センター」や、DV防止活動を行っているボランティア団体等に相談してみましょう。

配偶者暴力相談支援センターは、名称に“配偶者”とあるものの、デートDVの被害が深刻化するなか、未婚カップルからの相談にも積極的に応じている機関が増えているようです。

また、DV防止活動を行っているボランティア団体は数多くあり、“都道府県(市町村)+デートDV相談”で検索すれば、数多くの団体が見つかります。

「たくさんありすぎて、どこがいいのかわからない」「デリケートな問題なのでできるだけ信頼性の高いところに相談したい」という場合は、各自治体の公式サイトで紹介されている団体にしてみるのがよいでしょう。

2018年3月に開設されたデートDV情報発信プラットホーム「」からも全国の相談機関を探すことができます。

 

5:まとめ

冒頭でもお伝えしたように、デートDVは決して珍しいこと、特別なことでも他人事でもなく、誰もが身近に経験しうることです。少しでも不安に思うことがあれば、被害がエスカレートする前に、勇気を出して専門機関に相談しましょう。

 

【監修】

・・・暴力のない社会を目指して人権啓発活動している認定NPO法人。「CAP(子どもへの暴力防止)プログラム」を柱として「デートDV予防プログラム」「すきっぷ(子どもの護身法)プログラム」「特別支援学級に通う子どもへの暴力防止(ほっと)プログラム」などすべての人に人権があることを啓発していくためのプログラムを開発・提供中。2018年3月デートDV情報発信プラットホーム「」を開設。

 

【参考】