顔が好きでつきあうとうまくいく?体の相性は?顔と恋愛の相性

「面食い」という言葉があります。文字だけ見ると、ちょっとホラーですが、その意味は“顔の美しい人ばかりを好む人”のことです。「人は見た目で判断してはいけません」というものの、やっぱり“一目惚れ”とかもあるわけで、どうしても顔でも判断してしまいがちです。はたして恋愛において、顔で恋人を選ぶとどうなってしまうのでしょうか? 大学で恋愛心理学を担当する筆者が、その秘密にせまります。

1:顔が好きだと体の相性も良いって本当!?

世の中には、顔が好きだと体(=セックス)の相性もいいと考えている人がいるようです。

残念ながら、それを直接に明らかにした研究はありません。しかしながら、1990年ごろに、進化生物学や動物行動学の分野で、「不規則な非対称性」と「容貌の美しさ」の関係が話題となったことがあります。

不規則な非対称性とは?

ほとんどの動物の体は、一部の例外を除いて左右対称につくられていますよね。

昆虫や烏の羽を考えると、左右が非対称では当然ながら上手く飛ぶことができません。同様に、ほ乳類でも、手足の長さが左右非対称だと、生活がしにくいであろうことは容易に想像がつきます。

進化生物学や動物行動学の分野では、体の各部の不規則な非対称性が大きいほど、遺伝的な素質や環境適応能力が低いと考えられ、逆に体が対称的なほど、遺伝的な素質と環境適応能力が優れていると考えられました。

顔の対称性と容貌の美しさは関係している⁉︎

この対称性は、じつは「顔の魅力」と大きく関係しています。「顔がかっこいい(=魅力的である)」というのは、いくつか条件があるのですが、そのうちの1つが“造形的な美しさ”です。

いわゆる、目鼻立ちが整っている顔というわけですが、そこには顔の左右対称性も影響します。

対称性が高い男性ほどセックスが上手⁉︎

また上述した「不規則な非対称性」の考えにもとづき、人の体と対称性・非対称性の関係が調べられました。

いくつかの例を挙げると、「1.女性の場合、バストが非対称で大きいほど乳ガンにかかりやすい」、「2.不妊治療のクリニックを訪れた男性では、手足の指の長さが非対称なほど、精子の運動性が低く数が少ない」、「3.対称性が高い男性ほど、筋肉質でけんかをよくする」、「4.体の対称性が高いほど知能が高い」などです。

そして、「5.セックスとの関係では対称性が高い男性ほど、女性にオーガズムを感じさせやすい」といったことが指摘されたんです。

現在、対称性への考え方は否定されている…

とはいえ、一時期注目を集めたこの「人の体と対称性・非対称性の関係」の考え方も、じつはその後、さらに様々な研究がおこなわれました。

そして、その結果が必ずしも一貫しているわけではなく、対称性が遺伝子や環境とどのように関連しているのかもはっきりしなかったため、今では誰も支持することはありません。

しかし、上記の体と対称性への考え方を借りるならば「顔がかっこいい=顔の対称性が高い=女性にオーガズムを感じさせやすい=体の相性がいい」という仮説を立てることも可能であったのです。

 

2:彼氏の顔が好き!顔が好きだと恋愛も上手くいくのか?その理由

ところで、体の相性は別として、彼氏の顔が好きだと、はたして恋愛も上手くいくのでしょうか?

こういう例えをするとよくないかもしれませんが、買ってはみたものの、自分の趣味じゃないなと思った服って、二度と着ないことがほとんどじゃないですか?

場合によっては、チャンスがあれば誰かにあげたり、フリーマーケットで売ったりすることもあるでしょう。

その意味では、自分の好みの顔ではない相手と付き合うというのは、心地がいいものではないかもしれません。

「顔が好きで付き合う恋愛タイプ」と「そうじゃない恋愛タイプ」がある

カナダの社会学者にジョン・アラン・リー(John Alan Lee)という人がいました。ジョン・アラン・リーは、『the colors of love』という著作のなかで、恋愛のタイプをいくつかに分類しました。

そのなかの1つに、「エロス」という恋愛タイプがあります。このタイプの人は、恋人の外見に強烈な反応を示し、強いひと目ぼれを起こしやすいと言われています。つまり、「見た目がよければ、それでよし」というタイプです。

他にも、「ルダス」という恋愛タイプがあります。このタイプの人は、恋愛をゲームの駆け引きのように楽しみ、相手を次々に取り換えていきます。恋愛をゲームのように楽しむ相手ですから、どちらかというと顔のいい相手に挑戦していくでしょう。

その一方で、「プラグマ」という恋愛タイプがあります。このタイプの人は、高い社会的地位につきたい、お金が欲しいなどの目的にそって恋愛相手を選ぼうとします。そのため、「顔が悪くてもメチャクチャお金持ちなら、それでいい」というタイプです。

この他にも、いくつかの恋愛タイプがありますが、それらは顔の良さと恋愛がうまく行くかどうかには余り関係がありません。そう考えると、顔が好きだと恋愛が上手く行くかどうかは、自分と相手の恋愛スタイル次第ということが言えるでしょう。

 

3:「顔がタイプ」と「顔が好きになれない」どっちの彼と長続きするか

筆者は以前、とある番組でタレントの鈴木奈々さんと「顔がいいけど浮気する相手」と「顔は不細工だけど浮気しない相手」とどちらと付き合うか?という討論をしたことがあります。

筆者は、「顔がいいけど浮気する相手」を主張する立場だったわけです。当然ながら長続きするのは、顔が好きな相手だと言えるでしょう(ただし、難しいのは世間が不細工と思っていても自分は好みという場合もあることですが……)。

これも、別の例をあげながら考えてみましょう。きれいな海と砂浜に面した家と、観光客が密集して捨てられたゴミだらけの海と砂浜に面した家、あなたはどちらに住みますか?

一般論としては、きれいな海と砂浜に面した家でしょう。人間の行動の動機は、突き詰めていえば「快か不快か」です。美味しいか不味いかも、きれいか汚いかも、快と不快に分けられます。快というのは、人にとってメリットがありますが、不快はデメリットなわけです。

自分が「顔がいい」と思う相手は、自分にとって必要不可欠なわけです。そういう相手は手放そうとしないわけですから、長続きすると言えるでしょう。

 

4:まとめ

自分の目の前にいる人が、どんな人かを知るためには、長く付き合う必要があります。本当のその人を知るためには、見た目で判断してはいけないのかもしれません。

ですが、瞬間的に目の前にいる人がどんな人かを判断する必要性に迫られるときがあります。そのとき、目の前の人がどんな人かを判断する材料として、私たちは見た目の情報を利用します。

「人を見た目で判断してはいけない」とはよく言われますが、それが必要なときもあります。そして、その見た目による判断は、間違っていないということも、様々な研究で証明されています。

自分の好きな顔の相手を交際相手に選ぶことは、必ずしも悪いことではないんです。