再婚は考えている?「シングルファザーの気持ち」と1日の仕事

好きになった相手がシングルファザーの場合、彼との恋愛を成就させるにはどうすればいい? シングルファザーとの恋愛では、子どもや元妻の存在など、やはりいろいろ気になりますよね。そこで、シングルファザーの状況や本音、恋愛事情について、全国父子家庭支援ネットワーク代表の村上吉宣さんからお話をうかがいました。

1:シングルファザーの彼に恋をした…「再婚」はあり?

(1)仕事も子育ても大変な彼のことを知ろう

シングルファザーは歴とした独身。普通に恋愛もするし、デートもします。恋する相手がシングルファザーだからといって、変に遠慮したり、特別扱いしたりする必要はないかもしれません。

とはいえ、シングルファザーの彼といい関係を築いていきたいなら、彼が仕事をこなしながら、ひとりで子育ても行っているという事情は配慮したほうがよさそうです。

シングルファザーがいかに慌しい日常生活を送っているのか? 村上さんからのお話をもとにモデルケースを紹介します。

(2)シングルファザーとの恋は「再婚」前提?

シングルファザーに恋する女性にとって、もっとも気になるテーマの1つは、彼らとの恋が“再婚”前提であるかどうかという点ではないでしょうか?

この問いに対する答えは、イエスでもありノーでもあります。シングルファザーの恋愛事情についても、のちほどたっぷりお届けしますよ!

(3)シングルファザーの芸能人、著名人

ちなみに、芸能人にもシングルファザーは何人もいますよね。たとえば、最愛の妻・小林麻央さんを亡くした歌舞伎役者の市川海老蔵さんは、日本でもっとも注目を集めているシングルファザーのひとりだと言えるでしょう。

また、俳優の大浦龍宇一さんは、離婚後しばらくしてから息子さんを引き取り、シングルファザーに。その子育ての奮闘ぶりは、著書『シンパパ!』にも記されています。

さらに、作家の辻仁成さんもシングルファザーとして有名。孤高の天才アーティストのようなイメージがあった辻さんですが、離婚後はせっせと手料理に励む子煩悩ぶりを発揮し、世間を驚かせました。

その他、俳優の河合我聞さん、お笑い界ではココリコの田中直樹さん、コウメ太夫さんなどもシングルファザーとして、仕事と子育ての両立に励んでいます。

 

2:子育ても!シングルファザー1日の仕事

では、シングルファザーがどのような1日を送っているのか? 小学校3年生のお子さんがひとりいるケースをご紹介します。

(1)シングルファザーの1日の過ごし方【平日の朝~夕方まで】

だいたい毎朝6時には起床。それから子どもを起こしたり、朝食の準備をしたり、朝から大忙しです。

7時に子どもと一緒に朝食をとり、7時半くらいに子どもを学校に送りだしてから、慌しく自分の身支度を整えていざ出勤!

お父さんは9時から18時まで、途中1時間の昼休みをはさんで8時間労働です。子どもは学校が終わったら、17時まで学童保育で過ごします。まだまだお父さんの仕事が終わらないので、学童保育後にさらに習い事に行くことも。

お父さんは定時に仕事が終えたら、急いで子どもをお迎えに行きます。

……と、ここまで見ると、定時で終わる日でもかなり大変な様子。さらに、残業がある場合はどうするのでしょうか?

村上「残業は毎週の火・木曜日に行う、というふうに決めておいて、その日は子どもを遅い時間までやっている習い事に行かせるなどしています。突発的な残業に対応するのはかなり難しい状況ですね」

(2)シングルファザーの1日の過ごし方【平日の夕方~就寝まで】

子どもをお迎えに行って19時ごろ帰宅。すぐに夕食の支度に取り掛かり、父子で食事します。夕食後、子どもの宿題を見たり、お風呂に入ったりして、子どもを寝かせるのが22時ごろ。

子どもが眠ったあとも、お父さんは学校から配られたプリントに目を通したり、翌日の準備をしたりで、やるべきことがまだまだ終わりません。ようやく24時ごろに落ち着いてTVをみながら晩酌……というのが唯一のお楽しみタイム。

就寝時間は毎晩2時くらいですが、子どもの宿題がたくさん出ていたり、学校行事の準備があったりする場合は、もう少し遅い時間になってしまうこともあります。

(3)シングルファザーの休日の過ごし方

仕事に家事に子育てに……とめまぐるしいシングルファザーの平日。では、週末は少しくらいゆっくりできるのかというと、なかなかそうはいかないようです。

平日には朝と晩のわずかな時間しか家にいられないため、家事を休みの日にまとめて行わなければなりません。たまった洗濯物を一気に片付けて、家中を掃除して、スーパーでは1週間分をまとめ買い。1週間分の献立を考えて、下ごしらえもある程度、済ませておきます。

また、家事をこなすほか、朝から子どものスポーツ少年団の練習に付き合うなど、休日には休日ならでは忙しさがあるようです。

村上「大変なのは、シングルファザーに限りません。共働きで夫が家事・育児をあまり協力していない場合には、女性も同じような過ごし方をしているのではないでしょうか」

女性に仕事・家事・育児の負担が集中してしまう“ワンオペ育児”は2017年の流行語にもなりました。シングルファザーも、まさしくワンオペ育児に奮闘しているというわけですね。

(4)シングルファザーにとって大変な家事とは?

ひとりで仕事・家事・育児をこなすのが大変なのは、女性でも男性でもかわらない……という村上さん。とはいえ、男性には男性ならではの大変さもあるのではないでしょうか?

村上「男性でも独り暮らしが長くて家事の経験値が高ければ、それほど苦労することはないと思います。

ただ、そうでない場合は家事に慣れてある程度の“手抜き”を覚えるまでは大変かもしれません。とりわけよく聞く悩みは“料理のレパートリー”に関することですね。

男性のなかには、“ママがいないぶん自分ががんばらないと”と必要以上に気合が入ってしまう人もいます。そうすると、キャラ弁作りに凝ったり、おやつも全部手作りにしたり、自分で自分のハードルを上げてしまうんですね。

でも、その調子だと長くはもたない(笑)。時間的にも能力的にも、自分のできること、できないことをちゃんと見極めて、たとえば、お弁当やお惣菜を買うなど、うまく手抜きすることが大切ですね」

 

3:再婚は考えている?シングルファザーの気持ち

シングルファザーたちは再婚についてどのように考えているのでしょうか? 村上さんによれば、大きく3つのタイプに分かれるようです。

(1)何が何でも早く再婚したい派

村上「子どもたちにお母さんを……ということで、何が何でも早く再婚したいというシングルファザーもいます。

ただ、そういう男性たちは、“子どものため”というより、自分が仕事に集中したい、昔ながらの“男は外で仕事、女性は家庭で家事・育児”という役割分業をしたいというのがホンネであって、あまり成熟していないというか、子育てにちゃんと向き合っていない傾向があるような気がします。

あっ……ちなみに、こういうタイプのシングルファザーで、“自分は一生懸命パパやっています=優しい男性”アピールで女性を口説く人もいますよ。独身女性は注意してくださいね!」

(2)いずれは再婚したい派

村上「育児にちゃんと向き合っているシングルファザーでは、わりとこのタイプが多いです。

再婚を焦るのではなく、女性に対して“ともに生きるパートナー”の役割を求めています。育児と仕事、両方の大変さを経験しているので、ただ家事・育児を女性に押し付けるのではなく、互いに自立した存在として一緒にやっていきたい、というようなスタンスですね」

(3)何が何でも再婚はイヤ派

村上「前婚でのゴタゴタで女性不信に陥っていたり、あるいは死別の場合でもそのショックが大きすぎたりするシングルファザーでは、再婚に消極的な人もいます。あとは、子どもにとって母親の存在が大きいような場合も、そうかもしれません」

シングルファザーたちの再婚に対する考えは、上記のように“人それぞれ”。ただ、(1)~(3)いずれの場合も、再婚するかしないかは別として、女性との出会いさえあれば、恋愛関係にはなりたいと考えているとのことです!

 

4:シングルファザーの恋愛事情

前章でもお伝えしたように、再婚するかどうかは別として、恋愛には前向きだというシングルファザー。では、彼らの恋愛事情とはどのようなものなのでしょうか? 引き続き村上さんに語っていただきました。

(1)実はシングルファザーはモテる?

村上「シングルファザーって結構モテるんですよ。たとえば、子どもの学校のPTAで知り合ったママさんから、『うちの旦那はちっとも育児に協力してくれないのに、○○さんはえらいわ!』という感じで、勝手に理想化して好意を寄せられることなどがあります。

また、独身の女性でも“シングルファザー=子どもをがんばって育てている=優しい、健気”という幻想を抱いて、こちらに接してくることはありますね。

もちろん、育児をしているのはたしかなのですが、ただ“シングルファザー”というだけで、一定の枠にはめられて、自分のそれ以外の面を全く見てもらえない……というのは辛いものがあります」

(2)シングルファザーの出会いの場所は?

村上「仕事と家事、育児でいっぱいいっぱいなので、職場以外ではほぼ出会いがないという状態ですね。

ただ、最近ではSNSの“ひとり親コミュ”を通じて、シングルファザーとシングルマザーが恋愛関係になるというケースは増えています。似た境遇で、悩みなども共感できますし、またSNSのほうが変な先入観なしにじっくり関係を深められるからカップルになりやすいのでしょう」

 

5:シングルファザーとの恋愛を成就させる方法4つ

前章では、“シングルファザー×シングルマザー”の相性がいいというお話がありました。では、シングルファザーと独身女性の関係ではどうなのでしょうか?

シングルファザーとの恋愛を成就させる方法について、村上さんからアドバイスをいただきました。

(1)シングルファザーの事情や気持ちに配慮する

村上「仕事しながら育児をしていると、どうしても時間的制約がありますから、そこのところはちゃんと理解してくれる女性がいいですね。

デートの時間もとりにくいし、LINEだってすぐに返信できないこともあります。ただ、シングルファザーだって、相手の女性をないがしろにしているのではなく、ちゃんと大切にしたいという思いはありますし、“仕事か育児か彼女か……順番なんてつけられない”というような葛藤もあるんです。

ですから、“○○と私とどっちが大切なの?”などと責めるのではなく、ちゃんとこちらの立場や気持ちを配慮してくれるとありがたいです。

たとえば、LINEで連絡をとるときも“今、大丈夫?”などとワンクッションおいてくれると、気遣いのできる女性だな、って思います」

(2)我慢するのではなく向き合ってコミュニケーションをとる

村上「こちらの立場や気持ちに配慮してほしい、と述べましたが、もちろん女性の側に“ただ我慢しろ”ということではないんです。

お互いの立場が違うからこそ、ちゃんと会話をして折り合いをつけられる関係が望ましいと思います。

たとえば、“会えなくて寂しい”という気持ちもちゃんと伝えてもらったほうが、シングルファザーのほうも自分の状況を説明したり、なんとか2人の時間を増やせるように工夫したりして、2人で“最善の方法”を見つけることができるのではないでしょうか」

(3)元妻に嫉妬しない

村上「夫婦が離婚しても、子どもにとってパパとママであることに変わりはありません。子どもが母親に面会する権利は当然ありますし、子どもの件でシングルファザーが元妻と事務的な連絡をとることもあるでしょう。

ただ、パパ、ママではあっても、離婚を区切りに夫婦としては終わっています。シングルファザーが子どもを介して元妻とつながることについて、“もしかしてまだ未練があるのでは?”と不安に感じてしまうかもしれません。ですが、元妻とは男女の仲ではない、という点は強調しておきたいです」

(4)無理にママになろうとしなくてもいい

村上「シングルファザーとの再婚について、“彼の子どもを愛せなかったらどうしよう”など、深刻に悩んでしまう女性もいるかと思います。でも、子育ての主体はあくまで彼。責任を背負い込むことはありません。

無理にママになろうとするのではなく、彼にとって大事な子どもなのだ、という点だけは忘れずに、まずは身近な姉や伯母のような感覚で接すればいいのでは?

また、(2)でも同じようなことを述べましたが、子どもとの関係に不安があれば、その悩みを独りで抱え込むのではなく、まずは彼に自分の気持ちを率直に打ち明けて、お互いの立場をよく話し合うのがよいかと思います」

 

6:まとめ

シングルファザーというのは、たしかに少数派の存在ではありますが、相手の立場を思いやる、互いに尊重し合う、そしてコミュニケーションが大切だというのは、あらゆる人間関係に通じる基本ルールですよね。シングルファザーに片思い中、交際中の女性はぜひご参考になさってください。

 

【取材協力】

・・・全国父子家庭支援ネットワーク代表。1979年青森県生まれ、宮城県仙台市在住。03年離婚し父子家庭になる。08年父子家庭支援の現状を訴え、格差是正する事を目的とする宮城県父子の会を発足、09年に全国父子家庭支援連絡会発足、理事に就任。父子家庭への児童扶養手当を始めとする母子家庭のみであった支援制度を父子家庭へ拡充する、また遺族基礎年金や特定求職困難者雇用開発助成金等、父子家庭への拡充へ寄与する。