回避依存症の女性・男性の特徴は?診断チェックリストと克服方法3選

出会ったころはすごくマメだったのに、付き合い始めたとたん、急に態度がそっけなくなる。ずっと音信不通で、「もうおしまいかも」と諦めていたころに、急に連絡を寄こしてくる。……近づいたかと思えば離れ、離れすぎるとまた近づく。そんな奇妙な距離感でパートナーを振り回す人は、回避依存症かもしれません。今回は、心理カウンセラーの石黒みゆさんへの取材をもとに、回避依存症の特徴、原因、克服方法をご紹介します。

1:回避依存症とは?

回避依存症とは、他者と親密な関係になることを極度に避けるタイプの人。

他方、恋人に対して必要以上に尽くしてしまう人を恋愛依存症といいますが、「回避依存症タイプ×恋愛依存症タイプ」の組み合わせがカップルになるケースも少なくないようです。いわば“マイナス”と“プラス”の組み合わせですね。

回避依存症はどちらかというと、男性に多いといわれますが、女性でもいないわけではありません。

また、心理カウンセラーの石黒みゆさんによれば、もともとは回避依存の傾向がある女性でも、同じタイプの男性に惹かれ付き合うようになると、自分が恋愛依存症タイプの役割を引き受けてしまうこともあるそうなんです。

 

2:「もしかして回避依存症?」診断チェックリスト7つ

では、回避依存症の人には具体的にはどのような特徴があるのか、石黒さんの著書『恋愛依存症かな?と思ったら読む本』を参考に、チェックリストを紹介します。

(1)最初は自分のほうからアタックして、相手が振り向くと急に冷たくなる

冒頭でもお伝えしたように、回避依存症タイプの人は、出会って間もないうちは自分から猛アプローチをかけるのに、相手が自分に振り向いたら冷たい態度を取ってしまいます。

決して恋愛できないわけではないのですが、自分が好意を持った相手に対して、“好き”という状態を保つことができないのです。

(2)いくら恋人でも毎日連絡をとったり頻繁に会ったりするのは窮屈・面倒に感じる

自分に好意があるとわかっていれば、恋人と毎日LINEしたり、休みごとにデートしたりするのを煩わしく感じる傾向があります。相手との関係性が密になってくると、仕事が忙しいなど理由をつけて会うことを避けがちです。

また、短時間のデートは平気でも、長時間のデートやお泊りは苦痛に感じることもあります。

(3)自分が会いたくないときに誘われると断る

とことん自分本位でドライな関係を望みます。気分が乗らなければデート当日にドタキャンするようなことも……。

(4)仕事など何かに夢中になって、恋人のことや約束を忘れてしまうことがある

約束をすっぽかされたパートナーは、「わざと傷つけるようなことしてる!?」と疑いたくもなりますが、わざとじゃないから余計にタチが悪い……。

回避依存症タイプの人の心の中からは、相手の存在がぽっかり消えてしまうことがあるようです。

(5)恋愛の駆け引きがうまいように見える

これも冒頭で紹介した例ですが、ずっと音信普通なので、パートナーが「もう振られたかも!?」とあきらめかけた頃に、突然連絡をしてくるようなところがあります。

気まぐれな態度に混乱させられますが、これまた回避依存症タイプの人は相手を揺さぶろうと計算してやっているのではありません。

頻繁にコンタクトをとるのは億劫だけれど、離れすぎるとふと連絡がとりたくなり、無意識のうちに相手を振り回すような行動をとってしまうのです。

(6)ものぐさで「面倒くさい」が口癖になっている

恋愛において無精者というだけでなく、生活全般において面倒くさがりな面があります。

(7)恋人が自分と異なる意見や考えをしていると正したくなる

「寂しい」とか「もっと会いたい」というのは人間の自然な感情で、正解も不正解もありません。なのに、回避依存症タイプの人は、パートナーからそうした気持ちを伝えられると、「そんなはずはない」「そんなに会いたがるなんておかしい」と真っ向から否定してかかる傾向があります。

 

3:回避依存症の女性の特徴3つ

上記のチェックリストでは、回避依存症について男女共通の特徴を挙げました。

ここではさらに、心理カウンセラーの石黒さんに伺った、「もしかして私、回避依存症かも……」というクライアントの女性からよく寄せられる悩み、すなわち「回避依存症の女性特有の兆候」をご紹介します。

(1)彼の言動を束縛や干渉だと感じやすい

詳しくは後述しますが、回避依存症の背景には親の過干渉もありますので、このタイプの女性は、恋人から少しでも自分の行動について意見されることを異様に嫌います。

たとえば、帰宅が遅くなったのを彼氏が心配して「どうしたの?」と尋ねただけで、「この人は私を束縛する!」などと過剰反応してしまうのです。

(2)回避依存症タイプの男性に惹かれやすい

回避依存症タイプの女性は、自分と同じタイプの男性に惹かれやすいとのこと。では、回避依存症同士が付き合うとどうなるか?

前述の通り、回避依存症タイプは、恋人同士になると急にマメでなくなり、相手から連絡がきても知らん顔するようなところあります。

ただ、どちらかというと男性のほうが回避依存傾向が強いせいか、男女で互いに“知らん顔合戦”をすると、女性のほうが相手から連絡がないことにシビレを切らしてしまうことが多いようです。

いつもなら相手を振り回す側なのに、回避依存症タイプの男性と付き合うと、自分が振り回される側、すなわち相手に執着する恋愛依存症的な役割を担ってしまい、余計に苦しい思いをします。

(3)寄ってくる男性は優柔不断で気弱なタイプが多い

回避依存症タイプの女性は、わりと意見をはっきり言うところがあり、気が強いように見られやすいとのこと。

その結果、自分の好みのタイプは“頼りがいのある男性”なのに、寄ってくる男性は優柔不断な気弱な男性ばかり……という悩みも、回避依存症タイプの女性にありがちのようです。

 

4:回避依存症の男性の特徴3つ

回避依存症タイプの人は、自分からアプローチをかけるのは最初のうちだけで、パートナーと深い関係を築きにくいという点は、「2:“もしかして回避依存症?”診断チェックリスト7」でもお伝えしたとおり。

では、回避依存症タイプの男性とは、長く付き合ったり、結婚したりすることはできないのでしょうか? まずは回避依存症タイプの男性の特徴を具体的に見ていきましょう。

(1)長く付き合うとセックスレスになりやすい

他者との親密な関係を避けたがる回避依存症タイプは、長く付き合うこと自体が珍しいですが、例外的に自分にとって都合のいい状態であれば、関係が継続することもあります。

ただ、いくら長く付き合っても2人の関係は表面的なまま一向に深まらず、だいたい2年以上付き合うと、セックスレスになることも少なくありません。

(2)別れるときは怖いくらいバッサリと切り捨てる

回避依存症タイプの男性は連絡不精のため、多くの場合は、自然消滅になるか、相手のほうが愛想を尽かして去ってしまうかどちらかです。

回避依存症タイプの男性のほうから別れを切り出すのは、「もうこの女とは付き合いきれない」とか「自分のことを本当は好きじゃないんだろう」と見切りをつけたとき。

この場合は、怖いくらい相手をバッサリと切り捨てて、その後はまるで付き合っていた事実自体がなかったかのように、記憶を抹殺してしまいます。

(3)結婚生活は打算的で無責任

回避依存症タイプの男性は、そもそも関係が長続きせず、結婚に前向きでもありません。ただ、“奥さんが自分の世話をしてくれる”とか、“社会的ステータスの1つとして子どもを持ちたい”など、何らかのメリットを見出したときには、結婚に踏み切る可能性はあります。

そのような打算的な結婚ですから、家庭や家族に対して無関心・無責任。仕事に追われ、夜遅くまで帰宅しなかったり、家にいても自分の部屋にひきこもったりで、家族と向き合うことがありません。

また、子どもの教育方針など家族間の決め事も責任を負いたくないので、妻に任せきり。それでいて、「何で子どもを塾なんかに行かせるんだ!?」など、妻が決めたことにあとから文句だけつけることも……。

さらに、仕事に逃げるだけなく、逃避の方向がギャンブルや浮気など望ましくないほうへ向かってしまうおそれもあるようです。

 

5:回避依存症の原因2つ

人との親密な関係を避ける回避依存症には、子どもの頃の親との関係が強く影響を及ぼしているようです。

(1)親からの過干渉

回避依存症の原因のひとつは、親が子どもの行動を制限したり、何でも指示したりする過干渉です。

親が支配的・絶対的な存在で、子どもが常に服従するしかない。このような家庭環境で育つと、“愛情とは、支配・服従する関係だ”という歪んだイメージが潜在意識に植え付けられてしまい、大人になってからも他者との深い関わりを避けるようになります。

(2)親の一貫性のない愛情や態度

親の態度がその日に気分によってコロコロ変わる。そんな親の一貫性のなさは、子どもの回避依存症的な人格形成につながります。

たとえば、自分の都合のいいときだけ子どもを抱き寄せて、別のタイミングでは、子どものほうから抱きつこうとしてもパッと手で払いのけて拒絶してしまう。

子どもが同じ粗相をしても、ある日には激しく怒鳴りつけ、別の日には知らん顔する。

こんなふうに、親が一貫性のない態度を示すと、子どもは親からいつ愛情をもらえるか、いつ裏切られるのか、いつ怒られるのかわからないという極めて不安定な状況におかれ、他者に対する根本的な信頼感が育まれません。

また、親が子どもに対し、猫かわいがりしたかと思えば冷たく拒絶するような一貫性のない態度をとるのは、親自身に回避依存症の傾向があるためともいえるでしょう。

 

6:回避依存症の男性との接し方や付き合い方3つ

「4:回避依存症の男性の特徴3」でもお伝えした通り、回避依存症の男性との関係には、さまざまな困難がともなう模様。

それでも、好きになった相手が回避依存症タイプの場合、何とかうまくやっていきたいですよね。そこで回避依存症の男性とうまく付き合うコツをご紹介します。

(1)彼を攻撃したり追い詰めたりしない

回避依存症タイプの男性とお付き合いするには、まずは彼らが深い親密な関係を避けようとしているという、回避依存の特徴を理解することが大切です。

そうした彼らの特徴をふまえて、彼らを責めたり攻撃したりしないこと。「なんでもっと会ってくれないの?」など不満をストレートにぶつけると、デリケートな彼らはますます相手の女性から逃げ出したくなります。

(2)相手のペースに合わせすぎない

自分の不満をストレートにぶつけるのもダメですが、かといって、彼らに合わせすぎたり、我慢しすぎたりすると、“都合のいい女”にされて自分が疲れてしまうだけ。

「なんで●●してくれないの?」と責めるのではなく、「●●してくれると嬉しいな」と明るく伝えるようにしましょう。

明るく伝えたつもりでも、文面だけでは、彼が「もしかして責められている?」などと否定的に解釈するおそれがあります。

できれば対面で、表情や声色でもハッピーオーラを全開にして、彼に負い目を感じさせないように伝えるといいでしょう。

(3)彼にとって程よい距離感を探る

回避依存症タイプの男性は、他者との深い関係を好まないとはいえ、かかわりを全く拒絶しているわけではありません。“程よい”というのが、どの程度なのかは人によりけりなので、「このようなかかわり方をすればよい」という一律のアドバイスはできないのですが、ただ彼にとって心地のよい距離感はきっとあるはずなので、それを探ることが大切です。

女性のなかには、好きになった相手とずっと一緒にいたい、相手のことを何でも知りたいという親和欲求の強い人もいますが、自分の欲求のままにいきなり距離を縮めすぎないこと。

彼の反応をうかがいつつ、じわじわと距離を詰めていきましょう。

 

7:回避依存症の克服方法3つ

他方で、自身が「もしかして回避依存症かも?」と思い当たり、人間関係をうまく築けなくて悩んでいる場合、どのように克服すればよいのでしょうか?

(1)支配・服従関係が愛情ではないことを知る

「5:回避依存症の原因2つ」でもお伝えしたように、過干渉な親に育てられた子は、支配・服従関係こそが愛情だという歪んだイメージを刷り込まれているために、深い人間関係を避ける傾向があります。

回避依存症を克服するためには、親と自分のような上下関係だけが、人間関係の全てではないということにまずは気づく必要があるでしょう。

(2)責任を負うことから逃げない

“人から支配されたくない”という意識の強い回避依存症タイプの人は、はっきりと自分の意見を述べ、他者に対してあれこれ指図するなど、一見すると強い人間のように見えます。

しかし、威勢がいいのは口先だけ、単に支配から逃げ回っているだけで、実のところ、自分自身の行動について決断できない優柔不断なところもあるのです。過干渉の親から行動を制限され、何でも親の言うとおりにしてきた影響かもしれません。

回避依存症を克服するには、“自分のことは自分で決める”という覚悟をもつことも必要です。決断には必ず責任がともないますが、そこから逃げてはいけません。

まずは、日常の小さなことからでいいので、自分の行動を自分で決断する習慣をコツコツ積み重ねてみましょう。自分の決断でよかったという成功体験を積むことや、もしくは失敗体験を通じて「これくらい大して痛くはない」という免疫力をつけていくことも、回避依存症の克服につながるはず。

(3)本当の愛情を学び、快適な信頼関係を築く

親から無条件の愛情を受け取ることができなかった回避依存症タイプの人は、「自分はいい子でなければ他者から愛されない」「他者からはいつ裏切られるかわからない」といった根強い不信感を抱いています。

その不信感を払拭することは、回避依存症克服に向けての大きな前進。主従関係ではない健全な関係、友人などとの対等な関係を築く努力が欠かせません。

心理カウンセラーの石黒みゆさんはこのように話します。

「回避依存の方は親友と呼べる人がいるかどうかが重要です。なかなか人を信じられませんから、1人でも信じることができる相手がいるならその方は十分回避依存を克服する見込みがあります。

誰も信じられないなら、信頼できる相手を見つけてもらうことから始まります。

もし、身近にそのような人物がいない場合、カウンセリングを利用するのもいいでしょう。カウンセラーに開示していくことで受け入れられる安心感、否定されない安心感を理解してもらい、他者は裏切るばかりの存在ではない、世の中には味方もいるという信頼関係も築いていきます。

そのうえで、カウンセラーとの関係だけでは補えないものを、友人などの関係で築いてもらうことが克服へつながるでしょう。

時間はかかると思いますが、ご自身が回避依存を克服したいという思いがあり、アドバイスを受け入れる素直さがあるなら克服可能です」

 

8:まとめ

回避依存症と一口に言っても、その程度はさまざまで、軽度のものなら多くの人に当てはまるともいえるかもしれません。

「もしかして私(彼)も!?」という人は、ぜひ当記事のアドバイスをご参考に、彼との付き合い方を見直したり、自身の回避依存傾向の克服に努めたりしてくださいね。

 

【取材協力】

石黒みゆ・・・恋愛依存症・回避依存症克服支援カウンセラー。電話やスカイプを使って、全国の恋愛依存症で悩む女性にカウンセリングやセラピーを行っている。ブログは『』。Eブック『』や『』もレジまぐにて好評発売中。メルマガは『』。