旦那の借金で離婚したい!借金を理由とする離婚の慰謝料や子供の親権はどうなるの?

旦那に借金があるのを理由に離婚……というのは、そこまで珍しくない話です。では、借金を理由とする離婚は、法的に可能なのでしょうか? 慰謝料や子供の親権は?など、気になるテーマも多いですよね。今回はこういった問題に詳しい弁護士に、その実態を教えていただきました!
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1:旦那や妻の借金で離婚したい!

配偶者の借金問題が発覚した際に「借金を理由に離婚したい!」と思う人は、決して少なくないはずです。でも、借金を理由に離婚を進めることは、法律的に可能なのでしょうか。

今回はそのあたりを含め、プロに詳しいお話を聞いてきました。

 

2:弁護士に聞く!妻や夫の借金は離婚理由になる?

そこで、夫婦問題に詳しいアトム市川船橋法律事務所弁護士法人の代表弁護士である高橋裕樹先生に、借金と離婚について、よくある疑問への回答をいただきました。

(1)妻や夫の借金を理由に離婚できるの?

高橋弁護士(「」内以下同):「パートナーに多額の借金が見つかった場合、しかもその借金を給与からこっそり返済していることが発覚すれば、立腹するのは当然かもしれません。

しかし、だからといって簡単に離婚できるかといったらそうではありません。

法律では、

1.配偶者に不貞な行為があったとき。

2.配偶者から悪意で遺棄されたとき。

3.配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

という5つの事由がある場合に、裁判所は離婚を認めていますが、この中に借金は入っておりません。

しかし、その借金の理由や金額によっては、“5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき”に該当する場合もあります。なので、例えば、ギャンブルで多額の借金をつくった、借金して高額なブランド品を買い漁っていたというような場合は、離婚できる可能性が高くなります。

一方、家計をやりくりするためにやむを得ず妻が借金をした、自営業の夫がなんとか仕事を続けようと借金をしたというような場合、離婚は難しいでしょう」

(2)パチンコでの借金…借金を繰り返す場合は?

「旦那さんがパチンコにのめり込んで、そのために借金を何度もしてしまうという状態は、まさに“5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき“にあたります。そのため、離婚原因となります。また相手方に対して、離婚慰謝料を請求することもできるでしょう。

ただ、このような相手方にはお金がないことが多いので、現実的には回収が難しいことも多いです」

(3)離婚すると借金を折半する必要がある?

「借金の連帯保証人などになっていなければ、パートナーの借金を負う必要はありません。

離婚の際に、家族のために背負った借金(住宅ローン、スーパーなどでのショッピングなど)であれば、相手方にも一部負担させたいと考えるのは自然なことです。

しかし、貸主に対して返済する義務を負うのは、借りた本人だけです。このような借金がある場合は、財産分与の際に考慮されることになりますので、弁護士に相談して対策を練ったほうが良いでしょう」

(4)借金が原因の離婚の場合、子供の親権や養育費はどうなる?

借金があるということと、親権をいずれが取得するのかということは直接関係がありません。

ただ借金の原因がギャンブルや浪費だったような場合や、借金の返済が滞り続けていて税金滞納までしているというような事情がある場合は、親権の争いで不利になることもあります。

また、養育費についても基本的には借金の影響は受けず、双方の収入をベースに計算されることになります。

しかし、借金で首が回っていないのであれば、そのあとの養育費の支払いが実際には滞ることもあるでしょう。ですので、離婚の際に相手に破産を勧めるなどしたほうが良いケースもあると思います」

(5)借金が原因で離婚すると慰謝料はどうなる?

離婚時の慰謝料は、一方が明らかな離婚原因(上記5項目に該当するような事情)をつくった場合にのみ、支払い義務が生じます。

ですので、単に性格の不一致で別れたのであれば、慰謝料を支払う義務はいずれにも発生しません。

家計のやりくり、お金の使い方で夫婦喧嘩が多くなり、離婚になるという場合も広い意味では性格や考え方の不一致。ですので、慰謝料の支払い義務は発生しません。

ただ先ほどもお伝えしたように、借金の原因がギャンブル、ブランド品の多数購入、性風俗店への出入りなどであったような場合は、“5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。”にあたり、離婚事由に。その場合は、慰謝料支払い義務が発生することになります」

 

3:早まって離婚すると後悔する?夫が借金しても離婚しない方法2つ

どんな夫婦でも、一度は生涯の愛を誓い合った仲。ですので、離婚はできるだけ避けたい展開でもあります。そこで、夫が借金していても離婚しない方法を3選ご紹介します。

(1)一緒に返す

「結婚生活は山あり谷あり」と達観し、すでに借りてしまったものは仕方ないと考え、それを一緒に背負うのもひとつの選択肢です。

まずは、夫婦で力を合わせて返済をしていくと覚悟すること。夫婦で前を向いて生活を立て直すことを決意し、離婚するのではなく、夫婦関係をより強くしていくという考え方です。

(2)バイトをさせる

現実的な方法として、夫の勤務先で副業が認められているのであれば、空いている時間を活用してアルバイトをさせるという方法も考えられます。

自分でつくった借金に対して、ちゃんと自分で責任とってもらうということも大切なこと。返済資金を稼がせることで、二度と同じことを繰り返さないようにしてもらいましょう。

 

4:旦那の借金で離婚したブログ3選

夫の借金で離婚を考えている……というのは、なかなか人に相談しずらいこと。また周囲に同じような経験をしている人が見つかるとも限りません。そんなときは、その経験を綴っているブログを読むのが便利ですよね。いくつかピックアップしてみました。

(1)「ギャンブル借金650万夫と離婚しました」

結婚5年で、夫の650万円もの借金判明により破綻したというブログ主さんの心情が綴られたブログ。2018年4月で離婚が成立して、ブログを卒業されています。

離婚の手続きについて詳細にまとめられており、これから離婚を考えている人の参考になりそうな情報が豊富です。

(2)「シングルマザー2年目〜大ちゃんと私の成長日記〜」

離婚調停、裁判を経て、シングルマザーとなった記録が綴られています。

生活費を入れなかったり、ギャンブルや女遊びでつくった独身時代からの借金を、何度も親に返済してもらっていたり……と、だらしない旦那さんと別れるまでの、多くの苦悩や道筋が書かれています。

(3)「借金癖のある夫と離婚するべきか!?最高の決断をするために」

夫がつくった借金発覚を機に、ふたりの子どもを抱えながら、波乱万丈な生活を送ることになった妻のブログです。住宅差し押さえや子供ふたりの教育費など、現実的に起こる数々の問題と向き合った体験や学びが、赤裸々に綴られています。

 

5:借金発覚で離婚は珍しい話ではない

慰謝料が「とれる」「とれない」にかかわらず、借金が発覚し離婚に至ったという話は、決して珍しくはありません。

しかし縁あって一緒になった相手。愛情が残っていて、一緒に乗り越えていく覚悟がある人であれば、そんな困難を夫婦で乗り越えて、そこからまた夫婦の絆が深まることもまた真実かもしれません。

 

取材協力

高橋 裕樹弁護士

 代表弁護士。岩手県盛岡市出身。2008年(平成20年)弁護士登録。千葉大学法経学部法学科卒業。

 

 

 

 

 

【参考】