モラハラ職場を訴えるには?職場のモラハラチェックリストとその対策

職場でのモラハラが問題になっていますが、どこからがモラハラなのか、曖昧な面も。そこで今回は、社会問題にもなっているモラハラについて考えていきましょう。何がモラハラなのかの定義づけや、モラハラが起きやすい職場の特徴、さらにモラハラへの対策法までご紹介します。
  • Tweet
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

1:職場のモラハラとは?

モラハラとは、モラルハラスメントの略。言葉や態度で傷つけたり抑圧したりして、相手にダメージを与える精神的な暴力のことを指します。

職場においてのモラハラとは、上司や同僚、部下など、相手の立場や互いの力関係は関係なく、とにかく誰かに精神的に攻撃を与えることを指します。

代表的なのは、暴言を吐かれたり、嫌味を言われたり、侮辱されたりといった言葉の暴力。また、陰口を言われる、ウワサや暴露話を広められるのも、モラハラといえます。

さらに、職場のイベントに誘われない、話しかけても無視されるといった行為もモラハラですし、仕事をもらえない、逆にキャパを超える仕事を押し付けられることもモラハラといえます。

そして、これらのことを自分が直接されたわけではなくとも、モラハラ被害を受けることも。周りにモラハラをする人がいるせいで職場環境が悪くなり、仕事が手につかなくなるというケースも、間接的ですがモラハラ被害を受けているといえます。

 

2:職場のモラハラ事例5つ!日本社会にはびこる職場のモラハラの実態

(1)嫌味を言う

「私は契約社員として働いているのですが、書類に不備などがあると、正社員の同僚が“まぁ、契約社員だから仕方ないか”などと、雇用形態を引き合いに出して嫌味を言ってきます。あと、じーっと見つめてきて、なんだろうって思っていると舌打ちされたり、大きくため息をつかれたりなども。

とても萎縮してしまうし、周囲の人も私と距離を置くようになっていて……。とても仕事がしづらいです」(34歳女性/IT)

(2)仮病と疑われる

「私には持病があり、面接のときにも、その話をしたうえで採用してもらっています。

でも今の上司は、私が通院などで有給休暇を取得すると、その翌日に必ず、“なんだ、元気そうじゃない。本当に仕事ができないくらいひどい病気なの?”など言ってくるんです。

最初のうちは反論していましたが、毎回言われるので、最近では聞き流すようにしていますが……。会社を休みにくい環境になっていてつらいです」(36歳女性/サービス)

(3)「バカなんだね」などと罵る

「誰だって仕事でミスすることってあると思うのですが、今の職場にいる同僚は、ミスした人に対して、誰彼構わず“この仕事、向いてないんじゃないの? 転職したほうがみんなのためだよ”などと言ったり、ランチのときなどに過去のミスをほじくり返して、陰口をいったりします。

それも“あの人って、本当にバカだよね”とか、“俺、ああいう頭の悪い人と仕事するのはイヤなんだよね”など、言い方もひどくて……。

同僚や後輩だけでなく、上司や先輩に対してもそうなんです。きっと、自分がいちばん優れていると思っているのでしょう。その同僚、後輩たちから陰で“パワモラジジィ”って呼ばれています。パワハラとモラハラ両方するので」(40歳女性/不動産)

(4)「結婚していない人は…」と私生活に踏み込んでくる

「私はずっと独身で、仕事をがんばって生きてきました。結婚はタイミングがあればしてもいいと思っていますが、それほど焦ってもいないんです。

だけど、今勤めている職場には、まるで私を結婚できない欠陥人間みたいに言う男性がいて……。何かある度に“あ~、だから結婚できないんですね”とか“結婚していない人って……”などと、色眼鏡で見てきます。

その場では堪えていますが、存在を否定されているような気持ちになって、心はズタズタです」(44歳女性/不動産)

(5)育ちを引き合いに出す

「うちの会社は、縁故採用で入っている人が多くて、お金持ちの息子や娘が多いんです。そのせいなんでしょうか、私のように新卒で普通に入社した人と、縁故組との間に少し壁を感じます。

あからさまに“あっ、親がサラリーマンだと、この話はわかんないよね”などと育ちによって差別をする人もいたりして。すごく居心地が悪いです。まったく悪気がなさそうなのが、逆にタチ悪いんですよね」(30歳女性/建設)

 

3:こんな職場は危険!職場のモラハラチェックリスト5つ

(1)社員間に「思ったことはなんでも口に出すのが美徳」という共通認識がある

「思ったことは、なんでも口にするのが正しい」といった考え方が浸透している職場では、その「思ったこと」がモラハラに該当する事柄であっても、許される傾向があります。

端で聞いている人がモラハラの場面に遭遇し「そんなこと言わなくてもいいのに」と思ったとしても、その意見を口にしづらい社風になっていれば、さらに危険です。

(2)「指導のためなら何を言っても許される」という環境である

上司や先輩は部下や後輩を徹底的に指導すべき、指導するためならどんな手段でもいい、そして部下や後輩は絶対にそれに従うべきという社風の職場も、モラハラが蔓延しがちです。

立場が上だったり、スキルが高い人から能力不足などを攻められるのはパワハラですが、パワハラが日常化している職場では、それが嫌味や暴言というモラハラにも繋がっていくのです。パワハラ気質の会社には必ずモラハラあり、です。

(3)私生活に立ち入った話題を好む人が多い

恋人や結婚、子どもの有無など、私生活に立ち入った話題を好む人が多い職場では、私生活ネタから派生したモラハラが起きやすくなります。

本来、私生活がどうであろうと、仕事がきちんとできていれば問題ないですし、同僚といえども、他人のプライバシーに踏み込んでいいわけではありません。しかし、うわさ好き、陰口好きな人は、相手が傷ついても罪悪感をもたず、かつ、しつこい人が多いので、職場の環境を悪化させがちです。

(4)上司の権限が強すぎる

上司の権限がやたらと強い職場では、役職者が暴君になりやすい傾向があります。しかし、世の風潮としてパワハラに対する目は厳しくなっています。暴君もそれらをわかっているのか、パワハラには気を付ける人も増えてきましたが、そのぶん、おさまらない気持ちが、モラハラになって露見するというケースも……。

(5)これまでモラハラが問題視されたことがない

これまで一度も、モラハラが問題視されたことのない職場では、「うちはモラハラにならないから大丈夫」といった間違った認識が強くなりがちです。

そもそもモラハラは、受けた本人でなければ、判断がしにくいもの。「世間が大げさに言いすぎなんだよ~」などと軽々しく考えている人が多い職場ほど、モラハラが増殖していくのです。

 

4:訴えることはできるの?職場のモラハラへの対策

(1)精神的な苦痛で会社に行けなくなったら…

モラハラを受けて、会社へ行けないという状況になった場合には、まずは直属の上司に相談しましょう。その人からモラハラを受けている場合には、さらに上の立場の人に相談します。

モラハラの加害者からの指導をやめてもらうことや、部署を変えてもらうなど、モラハラ被害から逃れられる可能性をさぐってみてください。

通院や入院が必要な場合には、診断書や領収書があれば、治療費を加害者に請求することもできます。また、暴言を吐かれたり、うわさ話を流されたりした場合には、裁判などになったときに勝てるかどうかは別として、加害者への慰謝料請求は権利であり、可能です。

(2)休職や退職しなければいけなくなったら……

モラハラによって休職を余儀なくされた場合にも、(1)と同様、診断書や領収書などをエビデンスとして、治療費請求ができます。また、その人のせいで退職しなければならなくなった場合には、損害賠償を請求することもできます。

とはいえ、これも、裁判になったときに勝てるかどうかは別問題。パワハラと同様に、裁判で「休職・退職の原因がモラハラかどうか」というのを立証するのは難しいことなのです。最低でも、モラハラの証拠となる音声や、モラハラを受けたことが綴られている日記などの準備が必要です。録画などもあればなおよいです。

(3)加害者でなく会社を訴えることも……

企業には、「使用者責任」というものがあります。これは、企業には職場環境の整備をしなければならないという義務があるからです。それをもとに、モラハラ加害者を放置していた会社は債務不履行だとして会社を訴え、損害賠償を請求することもできます。

 

5:職場のモラハラは許しちゃダメ!

モラハラは、人格や能力を否定したり、無視などで孤立させたりなど、一見わかりやすようで、実際はわかりにくいもの。例えば、上司からモラハラをされた場合、業務上必要だった、と主張されたり、この程度であれば名誉棄損とはいえないと判断されるケースも少なくありません。

そして逆に、「モラハラ加害者という汚名を着せられた」などとして、反訴される可能性だってあるのです。

もし相手を訴えるつもりであれば、休職や退職とモラハラの因果関係がわかるものなどを、確実に準備しましょう。その際には、労務に詳しい弁護士に事前に相談するのがベストです。